2026年3月15日、株式会社LIGHTSWELLが運営する地域発達支援コミュニティ「welleap(ウェリープ)」は、熊本県八代市・大田郷コミュニティセンターにてイベントを開催しました。

2025年の熊本市での開催に続く2拠点目の実施となり、当日は家族連れを中心に32名が参加。夫婦とお子さんでの来場がほとんどで、理学療法士・作業療法士・教師・保育士など5名の専門職も加わりました。県外の鹿児島からも専門職が参加しており、welleapの活動範囲は県域を越えつつあります。

本記事では、イベントの実施内容と参加者の反応、そしてwelleapが目指す地域支援のモデルについて報告します。

背景――地方における「発達相談の空白地帯」

子どもの発達に関する情報はSNSや書籍を通じて急増していますが、その多くは科学的根拠が不明確なものや、約100年前の理論(1920年代の神経成熟理論)に基づくものが混在しています。保護者がエビデンスに基づいた正確な情報にアクセスする機会は限られており、この傾向は地方ほど顕著です。

加えて、「障がいの診断は出ていないが、発達が気になる」「どこに相談すればいいか分からない」という段階の保護者にとって、専門職とつながる接点はほとんどありません。医療機関や福祉事業所は、基本的に「相談に来た人」に対応する仕組みであり、「気になっているが、まだ相談に至っていない」層を支える地域の受け皿は不足しています。

welleapは、この課題に対して「専門職が事業所の外に出て、地域の保護者のもとへ直接出向く」というアプローチで取り組んでいます。

実施内容――発達科学に基づく3つのプログラム

イベントでは、以下の3つの内容を保護者に向けて実施しました。いずれも、LIGHTSWELLが日常の療育で実践している専門知識を、一般の保護者が理解・実践できる形に再構成したものです。

① 子どもの自発性と自己組織化――ダイナミックシステムズ理論に基づく発達の捉え方

世界の発達科学で広く採用されているダイナミックシステムズ理論(DST)に基づき、子どもの発達は「脳」「身体」「環境」の3要素の相互作用によって子ども自身が自己組織化していくプロセスである、という考え方を共有しました。

1982年のDe Vriesらによる研究や、「原始反射」が自発的な「反応」であるとする近年の研究知見を紹介し、大人が段階的に教え込む発達観ではなく、子どもが自発的に動き出す環境を設計するという視点を伝えています。

② 住環境デザイン「育住」――家庭環境の最適化による発達支援

welleapが独自に提唱する「育住(いくじゅう)」は、家庭の住環境を発達科学と神経科学の視点から見直すアプローチです。

安全のためにすべてをフラットにするのではなく、小さな段差や目線の高低差をあえて残すことで、子どもの「気づき」と「挑戦」の機会を生む。メッセージカードによる目線移動の誘発、高さの異なる位置へのものの配置など、帰宅後すぐに実践できる具体策をイラストと実例を交えて提示しました。

③ アメリカ足病医学(APMA)に基づく「足育」と靴選び

足は地面と常に接する身体部位であり、子どもにとっては「環境との最大の接点」です。子どもの足は骨の大部分が軟骨で構成された発達途上の器官であり、足の構造の崩れは身体全体の運動発達に影響を及ぼします。

イベントでは、ヒールカウンターテスト・フレックステスト・ツイストテストの3つの靴評価法を、複数メーカーの子ども靴を用いて体験形式で実施。年齢に応じた靴選びの基準を実践的に伝えました。

参加者の反応

当日は32名の参加者から以下のような声が寄せられました。

保護者から

  • 「SNSには不安になる情報も多いが、世界基準のエビデンスを分かりやすく説明してもらえた」
  • 「帰ったらすぐに部屋の配置を見直したい」
  • 「子どもの”困った行動”が”伸びたいサイン”だと知って、見方が変わった」
  • 「靴選びがこんなに重要だと思わなかった。理由と一緒に説明してもらえて納得できた」

専門職から(鹿児島県・児童発達支援事業所勤務)

  • 「少し不安だったが、専門職としても学びが多く、とても有意義な時間だった」

保護者からは「実践できる」内容への評価が高く、専門職からは臨床知識のアップデートの場としての評価を得ています。welleapが保護者支援と専門職教育の双方に機能することを示す結果となりました。

welleapの地域支援モデル――「専門職派遣型」の仕組み

welleapは、LIGHTSWELLが運営する児童発達支援・放課後等デイサービス「子どもリハビリセンターIllumination」の専門職(理学療法士・作業療法士)が、事業所を離れて地域に出向く活動です。

この活動が対象としているのは、以下のような層です。

  • 障がいの診断は出ていないが、子どもの発達が気になっている保護者
  • 福祉サービスの存在を知らない、または利用に至っていない家庭
  • 「どこに相談すればいいか分からない」段階にある保護者

LIGHTSWELLは、事業所での専門的療育(Illumination)と、地域での伴走型支援(welleap)の両輪で、「気づきの段階から、ずっと隣にいる」地域インフラの構築を目指しています。

LIGHTSWELLの地域支援体制

Illumination(事業所)

重症心身障がい児・医療的ケア児への
専門的療育(DST・CLA実装)

welleap(地域)

地域の保護者への
伴走型発達支援・相談接点の創出

「気づきの段階から、ずっと隣にいる」地域インフラを両輪で構築

活動実績と展開状況

時期開催地概要
2025年熊本市welleap初回開催
2026年3月八代市2拠点目。32名参加。県外(鹿児島)から専門職参加
今後熊本県内各地域・県外県内他地域への展開、県外からの開催依頼にも対応予定

LIGHTSWELLの専門性

welleapで提供する内容は、LIGHTSWELLの事業所における日常の臨床実践から抽出されたものです。

療育の理論的基盤ダイナミックシステムズ理論(DST)、CLA(制約主導アプローチ)等の世界基準の発達理論を実装
学術的実績2025年 九州作業療法学会 優秀賞受賞
専門職体制理学療法士・作業療法士による課題指向型のハイブリッド型支援
対象施設子どもリハビリセンターIllumination(児童発達支援・放課後等デイサービス/重症心身障がい児・医療的ケア児対応)
独自の取り組み発達科学に基づく住環境デザイン「育住」、アメリカ足病医学に基づく「足育」プログラム

イベント概要

イベント名welleap 子どものやりたいが、発達を育む! ‐発達科学から学ぶ、自発性と足育の視点‐
開催日2026年3月15日(日)10:00〜12:00
会場熊本県八代市 大田郷コミュニティセンター
参加者32名(家族連れ中心。理学療法士・作業療法士・教師・保育士など専門職5名を含む)
実施内容①ダイナミックシステムズ理論に基づく「自発性」と子育てへの活かし方 ②住環境デザイン「育住」の実践 ③アメリカ足病医学に基づく「足育」と年齢別の靴選び
プレゼンター株式会社LIGHTSWELL 子どもリハビリセンターIllumination
理学療法士 平川晋也 / 作業療法士 伊藤恵梨

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welleapは、自治体・教育委員会・子育て支援センター等との共催にも対応しています。地域の実情に合わせたプログラム設計が可能です。

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会社概要

会社名株式会社LIGHTSWELL(ライトスウェル)
所在地熊本市東区御領2丁目1-2-2
代表者代表取締役 平川晋也
事業内容・児童発達支援・放課後等デイサービス「子どもリハビリセンターIllumination」運営
・地域発達支援コミュニティ「welleap」運営
・教育機関・行政との地域連携事業
・発達科学に基づく住環境デザイン「育住」
・学術研究・専門職向け教育事業
Webサイトhttps://lightswell.co.jp/
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